鬼平と出世―旗本たちの昇進競争 (講談社現代新書) 価格: 714円 レビュー評価:4.5 レビュー数:3 本書は、幕府直参たる旗本たちが、どのような形で役職を得、また、己の処遇といった面を含め、幕府の人事に対して如何なる見方をしていたかにつき、一般の読者向けに、分かりやすく解説するものです。 生まれた時から石高・家格という形で基本的な処遇が定まっている直参たちですが、そんな彼らにとっても、公職への就任や幕府内での出世は他の何物にも代えがたい極めて大きな関心事だったようです。定期異動の際、出回る下馬評に一喜一憂する様子や、花形ポストに補職された人物に対する毀誉褒貶、さらには将来に向けての世論対策や猟官運動など、昔も今も、役人というものは人事と出世が大好きという点では全く変わらないも |
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